導入事例 ~株式会社ポラリファイ様

オンラインでの本人確認業務を軽減するため、高精度かつ整合性チェック機能を搭載したOCRのライブラリが必要でした
オンラインでの本人確認業務を軽減
免許証認識ライブラリ/
マイナンバーカードOCRライブラリ


株式会社ポラリファイ様
株式会社ポラリファイ様

 

お話を伺ったお客様
開発部 部長 松山 次郎さま

 

■ Polarify eKYCでOCR機能を求められる
――ライブラリ製品を採用するに至った背景をお聞かせください。

スマートフォン上で撮影した本人確認書類と顔写真だけで本人確認が可能になるサービス、Polarify eKYCのリリースにあたり、お客様からOCRを求められたことがきっかけです。Polarify eKYCとは、マネー・ローンダリングや犯罪組織への資金供与の防止を目的に、金融機関などの取引確認時の対策を定める法律、犯罪収益移転防止法(犯収法)の施行規則改正(2018年11月)により、オンラインで完結する本人確認方法eKYC(electronic Know Your Customer)が認められたことで、市場に投入した製品です。

Polarify eKYCはスマ―トフォンのアプリに組み込むSDK(Software Development Kit)版と、アプリ不要のブラウザー版の2つがありますが、最初にリリースしたSDK版ではOCRは搭載していませんでした。ただ、口座開設のためにわざわざアプリをダウンロードするケースは少ないので、主流はブラウザー版になると想定していました。そのブラウザー版をリリースするにあたって、さまざまなお客様からOCRの要望がありました。


――eKYCではOCRをどのように活用されるのでしょうか。

eKYCにおいて、OCRの利用目的は主に2つあります。ひとつはユーザーの入力補助です。OCRがあればユーザーが自動車運転免許証(以下、免許証)を撮影して次の画面へ移ったときには、住所・氏名・生年月日まで入力されている仕組みを構築でき、ユーザーの面倒を軽減できます。

もうひとつはバックオフィス業務の効率化です。バックオフィス業務では、申し込み情報と免許証の住所・氏名・生年月日が一緒かどうか突合するのですが、そのときにテキストと画像を見比べるのではなく、ユーザーが実際に入力したテキストとOCRで読み取ったテキストで見比べた方がスピードアップを図れます。

ただし、OCRはさすがに自社開発できる機能ではないため、ライブラリとして提供されている既存サービスを探すことになりました。NTTデータNJKの製品は、当社の株主でもあるNTTデータのグループ会社ということもあって、比較・検討のピックアップ製品として選ばせていただきました。

■ お客様もチェック機能の豊富さを評価
――NTTデータNJKのライブラリを選定した理由をお聞かせください。

比較・検討したライブラリは4製品で、実際に各社からお話も伺いました。ただ、各社がアピールする精度の面は、もっとも状態の良い画像を読み取った場合のデータのため、実際に使ってみないと本来の精度は判断できないと感じました。

そうしたなかNTTデータNJKのライブラリを選定したのは、実績やノウハウに基づく精度の高さに加え、以下の機能面の高い評価によるものです。

<チェック機能が豊富>
読み取ったあとの日付の整合性チェック、生年月日の有効期限の整合性チェック、裏面の記載チェック、変更欄記載チェックなど、チェック機能が豊富だったことが採用ポイントでした。実際、お客様にお話した際も、チェック機能の豊富さには利便性を感じていたようです。

<低コストで導入できる>
バックボーンがあるとはいえ、当社は設立間もない会社ですから予算が潤沢にあるわけではりません。こうした理由もあって、採用しやすい価格を提示いただいたNTTデータNJKのライブラリを選定しました。

ご利用伝票
――ライブラリ選定後の進捗状況をお聞かせください。

Polarify eKYCのOCRとして採用したのは、免許証認識ライブラリとマイナンバーカードOCRライブラリです。開発自体は、ライブラリの仕様の分かりやすさと当社開発チームの頑張りもあってスムーズに進みましたが、ユーザーから送信されてくる画質が一定ではないため、精度を上げるところはそれなりに苦労しました。

そもそもユーザーは比較対象がないので、撮影環境の良し悪しは分かりません。加えてユーザーのリテラシーやスマートフォンの画質も異なりますから、送信されてくる画像は本当にバラバラです。ですから、さまざまな画像を集めて徐々に精度アップを図っていきました。おかげさまで、現在の精度は業界内でも上位の部類だと自負しています。

■ 不備が劇的に減って本人確認の完了率が向上
――NTTデータNJKのライブラリをどのように評価されていますか。

OCRを採用されたお客様からは高評価をいただいています。とくに想定はしていませんでしたが、画質チェックという部分で効率化が図れているという声をいただいています。通常、撮影した免許証の画像が荒い、光が反射している、手ぶれがあるなどの画像は、不備ということで再申し込みの流れになってしまいます。不備はお客様の工数が増加するとともに、ユーザーの手も煩わすことになるため、マイナスでしかありませんでした。

しかし、OCRで文字が読み取れることを条件にした場合、不備が劇的に減ったとのこと。OCRを採用されているお客様は大手企業が多いので、年間100万件以上処理していると考えると、その効果はかなり大きいと言えます。不備が減ると本人確認の完了率が上がるわけですから、お客様にとってもユーザーにとっても大きなプラスになります。
 

――最後に今後の展開をお願いします。

お客様の要望に合わせて運転経歴証明書や在留カードへの対応も図るなど、現在もNTTデータNJKとは二人三脚でPolarify eKYCのOCR開発を行っています。今後、OCRの展開としては対応書類を増やすことと、さらなる精度向上になるかと思いますが、NTTデータNJKは誠意とスピードの両軸で対応いただいていますので、これからも期待しています。引き続きよろしくお願いいたします。

 

<導入法人プロフィール>
株式会社ポラリファイ 様
三井住友フィナンシャルグループ、NTTデータ、アイルランドのDaon, Inc.による合弁企業。三井住友銀行のITイノベーション推進部が手がけていた生体認証システムの実証実験をきっかけに、生体情報を用いた認証連携サービスを展開する会社として設立されました。主なサービスは生体認証サービスのPolarify、本人確認をオンラインで完結できるPolarify eKYCの2つ。プロダクトパッケージ製品ながら、要望に合わせて柔軟にカスタマイズできるのが大きな特徴です。大手金融機関への導入実績が豊富で、今後は保険・損保業界ほか、本人確認が必要な分野での利用が期待されています。

創立    2017年5月
本社    〒105-0003 東京都港区西新橋一丁目11番5号 新橋中央ビル6F
URL    https://www.polarify.co.jp/
ポラリファイ様ロゴ

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※この事例の内容は2021年10月に実施した取材内容に基づいて作成しています。
※記載された会社名、製品名、サービス名等は各社の登録商標または商標です。

 

 

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